ボレボレ日記

マレーシアでの日常生活を気ままに綴ってます

産褥アマさんと私の28日間(25日目)

「産褥アマさんか、ベビーシッターさんか」

産褥アマさんからベビーシッターさんへの引継ぎが始まって三日目。

今日でいよいよ引継ぎ最終日となる。

この三日間、二人を同時に見てきた中でその違いについて書いてみたい。

 

そもそも産褥アマさんは、産褥期の経産婦と新生児のケアに特化しているという点でベビーシッターとは大きく異なっている。私の場合はプランに含まれている殆どの産褥ケアを断っていた為に、ボディマッサージ以外のデイリーのルーティーンは無かったものの、本来であれば期間中は毎日なんらのケアメニューをこなしていくことになる。

産褥期は安静が基本と言われるが、産褥ケアのメニューはなかなか毎日目白押しで、恐らく全てをこなすと半日は潰れてしまう程のボリュームはあるだろう。

産褥アマさんを頼む一番の理由は、産褥ケアのサービスがあることかもしれない。

加えて産褥アマさんはベビーケアについても知識も豊富だ。(勿論個人差はある)

基本的なケアの仕方はもちろん、子どもの体調管理、成長に合わせた知育についても知識を持ち合わせている。

マレーシアの病院では、日本の産院ほど手厚く産後のケア方法などを教えてくれないので、産褥アマさんからベビーケアのイロハを教わることが出来るのは心強い。

私のお願いしたアマさんは教育体制の整った会社組織に属しているからだろう、医学的な情報を常にアップデートしている点でも信用できると感じた。(アマさんに教わった情報を小児科医に確認したところ、同じ回答が得られた為、信頼できると判断した)

ただし個人の産褥アマさんの場合、本人が意識高く勉強を続けていない限り、情報を常にアップデートするというのは難しいのではないかと思う。個人の産褥アマさんの場合は、昔からの習慣や個人の経験に頼ったベビーケアになりがちという点を懸念すると、ケアセンターの産褥アマさんにお願いして正解だったと感じた。教育という点では、ベビーケア以外の家事全般でも徹底されており、サービスレベルの高さを実感した。

 

一方のベビーシッターさんは、当然ながら知識と経験の面で圧倒的に劣る。

今回は特に「子守もお願いできるメイドさん」といったスタンスで来てもらったので、ベビーシッターとしての知識は期待していない。その分、費用面が格段に安くなる。

子守については「おいおい覚えていってもらう」という考え方だ。

我々も初めての育児で日々手探りなので、共に試行錯誤していく必要がある。

どんなに経験豊かでも、こちらの習慣や希望に沿ってもらう必要がある為、アマさんやベビーシッターさんの教育というのは不可欠だ。そうした観点から見ると、未経験者であれば、自分たちのやり方に馴染んでもらいやすいというメリットもある。

産褥アマさんと私の28日間(24日目)

「夫婦二人の時間」

産褥アマさんに来てもらうようになって、良かったと思うことの一つに

夫婦二人の時間を確保出来ること」がある。

今の状況下では出掛けられるところも限られている為、散歩を兼ねて食材を買い出しに行く程度だが、とても良い気分転換になっている。子どもが生まれると当分は夫婦だけの外出は出来ないと思っていたので、これは嬉しい誤算だった。

「家族」についての考え方は千差万別だが、私たち夫婦は「夫婦あっての子ども」という共通の価値観がある。子どもが生まれてから、「夫と妻」という役割に「父と母」という役割が追加されたが、常にベースにあるのは夫と妻という関係性だ。

子どもはいつか自分たちの元から巣立っていく、けれど夫婦は一生添い遂げる存在。

子どもは親を見て育つのだから「良好な夫婦関係が、子どもにとって良い環境になる」と私は信じている。親子三人揃って外出できる日が来るのは、まだ少し先のことになりそうなので、暫くは夫婦二人でのお出掛けを満喫させてもらおうと思う。

産褥アマさんと私の28日間(23日目)

「危機一髪!」

いよいよ今日から後任のアマさん(以下:ベビーシッター)がやって来る。

産褥アマさんからベビーシッターさんに仕事の引継ぎと子守業のレクチャーをしてもらう為、今日から三日間は二人が一緒に稼働するスケジュールを組んだ。

今日がその一日目だ。

産褥アマさんは28日間の住込みだったけれど、ベビーシッターさんは月~金の週5日通いで来てもらうことになった。

朝7時からの稼働に備え、ベビーシッターさんには早めにやってきてもらったのだが、ここで想定外の出来事が!

コロナの影響でコンドミニアムの事務局が、外部からの訪問者の入館をブロックしているという。入館許可を貰うには、まず事務局が営業を開始する時間まで待たなければいならず、場合によってはワクチン接種が完了していないと入館許可が降りないという。

そうなると今日の時点では入館は出来ないので、ベビーシッターさんには一旦帰宅してもらわなければならない。とはいえ入館許可が出る可能性があるのならと、彼女には事務局が稼働する時間まで2時間ほど待ってもらうことにした。

結論、ベビーシッターの入館は許可され「今後も継続して出入りして良い」という許可証もいただけた。一度目のワクチンを接種しており、二度目も数日後に接種予定だったことと、PCR検査の陰性証明を提示することができた為だ。

もしそうでなければ、今回の三日間の引継ぎの計画は初日から頓挫してしまっていたことだろう。ベビーシッターさんは英語が出来ないので、可能な限り産褥アマさんから直接細かい点のレクチャーを受けてもらうことが不可欠だった。

予定通りに産褥アマさんからベビーシッターさんへの直接引継ぎを実現できた点は本当に助かった。二人ともインドネシア出身で、前職は同じ介護士だったという共通点もあり、意気投合したようである。偶然が重なり、良い方向に進み始めたようだ。

産褥アマさんと私の28日間(22日目)

「アマさん外出する」

私がお願いした産褥プランは28日間で、その期間中アマに休みはない。

ただ今回アマさんより、どうしてもやむを得ない事情ということで外出の申し出があった。聞けば持病(婦人科系ホルモンバランスが不安定)の為に定期通院していると言う。その予約がどうしても変更できなかったので、一時的に外出させてほしいという相談だった。外出時間は2~3時間と言うので快諾した。

仕事とはいえ終始家の中で過ごしているので、たまには外の空気も吸いたいだろうという気持ちもあった。特に我が家は部屋数も多くないコンドミニアムなので、夜間それぞれが部屋に入ってしまではプライベートな時間は皆無に近い。自分ならストレスが溜まって仕方ないだろう。

帰宅してから通院のことや持病についての話を訊いてみた。

ホルモンバランスの乱れが影響して肌荒れが酷いことと、精神的にも不安定になることがあるという。確かに彼女は時々気分にムラがあると思っていたので、それを聞いて心当たりがあると気付いた。

他人でも朝から晩まで顔を合わしていると、朝いちばん「おはよう」と言葉を交わした時点で、その日のコンディションをある程度把握することが出来るようになるものだ。お金を払ってサービスを受けている側の立場にあるとは言え、一つ屋根の下で生活を共にしていると、お互いに対する気遣いは不可欠だ。そうすることで、両者の関係はより円滑に回っていくものだと学んだ。

産褥アマさんと私の28日間(21日目)

「緑のウンチに再び慌てる~の巻き」

先日アマさんから突然「緑のウンチが出た」と報告された。

オムツを覗くと確かに、よもぎ色のウンチが出ている。

これまでマスタードイエローのウンチしか見たことがなかった為、我が子に何が起こったのか一瞬訳が分からず動揺した。

「異常ではないのか?」と確認すると「通常よくあること」とのアマさんの回答。

ただそれだけのやり取りで、動揺している心がスーッと落ち着いていく。

例に漏れず、分からないことや不安なことはすぐにネット検索する。すぐに答えは見つかるが何が正しいかを判断することが出来ず、不安を煽られることも少なくない。子育ては未知の出来事の連続だ。それに冷静に対応して乗り越えていくには、相当にタフな精神が必要になってくる。子育てとは精神的な戦いの連続なのかもしれないと思う。

緑のウンチは一度きりで、その後はいつもの色に戻った。

気になるのであれこれネット検索し、異常がないということは理解できたが、ウンチが緑になった原因はよくわからなかった。

「異常がないならOK」

原因を突き詰め過ぎないというのも育児に必要な術なのかもしれない。

そして2日後の今日、夜中に再び緑のウンチが出た。この日はたまたま夫が不在の中で一人ぼっちの心細さからか、既に知識があったにも関わらず、緑のウンチに内心穏やかではなかった。

緑のウンチが出る原因は、お腹にガスが溜まっている場合や便の滞留時間が長い場合、赤ちゃんの腸内環境が変化した時など様々言われている。とりあえず、我が子が変わらず元気そうにしているので問題ないと判断する。黄色や緑や、カタツムリのごとく色とりどりのウンチをする我が子から目が離せない。

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マスタードイエローに加えて緑色が

 

産褥アマさんと私の28日間(20日目)

「後任のアマさん見つかる!」

この状況では奇跡的とも言えるかもしれないスピードで、後任のアマさん候補が見つかった!産褥アマさんを探した時と同様に、今回も切羽詰まった状況なだけに、様々な人に声を掛け、アマさんが見つからずに困っているという状況を相談した。

これまでの自分は出来る限り人に助けを求めることをせず、自分が出来る範囲のことでやってきた。それはそれで大切なことだと思う。

でもこの一年ほどで私たちを取り巻く生活環境が目まぐるしく変わり、自分の力だけで出来ることや得られる情報は限られているというをことを十分過ぎるほど学んできた。

なので何か課題を抱えている時は、少しでも広く情報網を拡げておくことが課題解決の近道だと考えるようになった。今回もあらゆる方面に声を掛けて、少しでも情報を得られるように種を撒かせてもらったというわけだ。

その結果として、後任のアマさん候補となる人を紹介してもらえるに至った。周りの方々からの情報や協力には、本当に感謝してもし切れない。

 

アマさん候補はハウスメイド経験のみで、ベビーシッターとしての専門の経験はないとのこと。けれども孫の子守を1年ほど経験したことがある点と、当然自身も子育てを経験しているという点で決定した。ベビーシッターとして不足している分は、産褥アマさんから直接レクチャーをしてもらうことにした。

実は候補の彼女は英語が話せないという大きなハンディがある。パーフェクトな条件を求めていては無理、ということでこの点は妥協した。彼女にはまず3日間の研修と1ヵ月間のトライアルで来てもらうことで合意した。

生活の中で不確定要素があるのは落ち着かないものだ。ここ最近の不安要素だった「復職までにベビーシッターを見つける」という問題が解決しそうでひとまず安堵した。

産褥アマさんと私の28日間(19日目)

「優先すべきは我が子」

産褥アマさんが来てから2週間以上が経過し、産褥ケアサービスの殆どを経験した。

各種ケアメニューがある中で、産褥ボディマッサージだけが唯一最後まで残った。

実は当初私が申込したパッケージプランでは、マッサージは週4回と決められていたのだが、あまりの心地良さに差額分を直接アマさんに支払するので毎日やってくれるように直交渉した。追加料金RM200で、週4回のマッサージが週7回に増えるのは破格としか言いようがない。

こうして毎日マッサージを受けるのが日課となった。

前述の通りマッサージはみっちり一時間ほど掛けて全身をマッサージしてくれる。

当然ながらその時間はアマさんも私も手が離せなくなるので、我が子が寝入った隙をみて行う必要がある。当初産まれて2週間だった我が子は体力もなく、食欲よりも睡眠欲が勝っている状況だった為、マッサージ時間を確保することはそれほど難しいことではなかった。ところが数日単位で我が子はメキメキ体力をつけ始め、日中に起きる時間も長くなってきた。それによってマッサージ時間を確保することが難しくなってきた。

 

マッサージの途中で泣きだしたりグズったりするので、一時中断せざるを得ない。

泣いている我が子を放ってまでマッサージを受けるわけにもいかないので、すぐにでも抱っこしてあやしたいところなのだが、なにせ全身がオイルまみれで容易に抱っこも出来ない。アマさんにお願いすることになるものの、こちらもオイルにまみれた手で、いつものように即座に対応することが出来ない。

そんな状況を狙ったように、マッサージの時に限ってグズるような気がしてならない。この日も開始から30分ほどした頃からグズり始め、泣き声と頻度が徐々にエスカレートしてきた。別室では夜間の授乳対応に疲れた仮眠中の夫が居たので「早くどうにかしなければ」という思いはあった。愚図る我が子を放って、自分だけゆったりとマッサージを受けているなんて、一体どういう神経か!という客観的な自分の声が脳内に響く。

夫は声を荒げるタイプの人ではないので、感情的になって何かを言うということは殆どない。それでも今回のことは我慢しかねたことだろう。直接は何も言わなかったものの、後で自分宛のLINEメッセージがあることに気が付いた。

「何わめいてん」と一言。

普段の夫からすれば、これはかなり怒り度の高い言い方であることに間違いない。実際にこれは私への怒りというよりも、赤ちゃんのケアを優先しなかった産褥アマさんへの不信感であったように思う。

とは言え、マッサージを依頼したのは私で自分自身に非があることは間違いない。

深く反省した出来事だった。